唐突ですがボクは山月記が大好きです。
あの中島敦の山月記です。
みなさんも山月記大好きですよね???
学校の教科書にも載ってるくらいだし、超有名小説だと思います。
山月記が好きすぎて、国語の授業中に何度も何度も、先生の話を聞かずに
読み返していました。
山月記の大まかなストーリー
天才「官僚になったけどつまらんから、本当にやりたかった詩人になります」
天才「全く売れない…。仕方ないから働くか、うわーーーーーー」
その後、妻子をおいて失踪
天才の友達「仕事だから危ない道通るよ」
虎「がおー…泣」
天才の友達「今の声、ひょっとして天才?」
虎「気づいたらこうなってた、後悔が残るから詩を聞いてほしい」
虎「こういう見栄っ張りなところがダメだったんだ、はあ」
虎「もう人の意識もなくなりそうだから別れなきゃ涙」
天才の友達「涙」
みたいな話です。
魅力
文体は漢語が多く歯切れよく淡々と物語は進んでいく中で
短編でありながら、内容は非常に濃く熱く訴えてくるところが好きです。
特に劇中で李徴(虎になった天才)が語る
臆病な自尊心と尊大な羞恥心
という言葉は初めて読んだ時から今も胸に突き刺さっています。
己の才能を過信して努力をせず、かといってそのプライドのために凡人になれ果てるのも嫌だ
という心境は誰にでも陥る可能性のあるものですし、虎になった李徴から淡々と発せられる言葉には重みがあります。
ボクはどちらかというと李徴と同じ過ちを犯してしまった側の人間なので
(ボクは李徴ほど才能豊かではありませんが)
山月記を読むたびに
「ああしておけばよかったなあ」
という後悔とともに
「後悔してばかりで実行に移さないからダメなのだ」
という自虐的な心が芽生えてしまいます。
結局他人にちやほやされたいと願いながらも、それを達成するための努力をしておらず、中途半端な生活を続けてしまっています。
中途半端な知り合いなら別にいらない
みたいなことを考えてしまった時期もあって友達と呼べる人はほとんどいません。
高校生のころから年は無駄に重ねてきましたが
今もなおボクの心の内には李徴と同じように醜い虎が住み着いているのかもしれません。
早くこの虎を調教でできたらいいのですが。
ちなみにボクが持っているのは
こいつです。
この本には山月記を含む短編が11篇載っています。
中島敦の文体は割と固い感じなので、読みなれていないと
「読むのだりい~~~~~」
ってなるかもしれないんですけど、慣れたらそのリズム感とか癖になるし、
他の小説も本当におもしろいので山月記以外もぜひ読んでみてください。