今日も独りで立ち話

ポンコツ博士課程の院生が思ったことをそのまま書くブログ

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人に伝えるにはどうすればよいか

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大学の研究プレゼンだったり、もちろんブログでもそうなんだけど

人に意見や考えをうまく伝える必要がある場面は多い

 

 

こういうのを自然とうまくできる人もいるんだけど

「プレゼンの作り方」「人に○○する方法」だったりして

後天的に勉強することで身に着けることももちろんできる

 

僕自身は基本的に下手なタイプなので

特にプレゼンに関しては技術的に真似ができるところは真似したし

フォントだったり、デザインは一番初めに比べると見られる物を作ることができるようになったと思う

 

 

 

 

 

 

 

上っ面パクリの限界

 そんなこんなで勉強してきたおかげで

ある程度のレベルまでは向上したんだけども、最近は壁を感じている

 

見やすいスライドを作れるようにはなったけど

わかりやすいスライドにはなっていないことに気づいたのだ

 

 

 

見たときに「何が書いてあるかわかる」だけではだめで

なぜ書いてあるかわかる」レベルまでプレゼンを煮詰める必要性が出てきた

 

 

こんな現状になったのは、

「とにかく見やすくするにはどうしたらよいか」

ということばっかりに気を取られて

 

「相手が楽しめるようなプレゼンにするにはどうしたらよいか」

ということまで完全に気が回っていなかったためだと思う

 

だから、スライド一枚一枚のデザインは

論外レベルから普通レベルまで向上したけども

プレゼンという大枠から考えるといろいろ至らないところが多い

 

もちろん、プレゼンを作るときに聞き手がわかりやすいように

ある程度の発表の流れは考えている

 

しかし、それだけでは不十分なのだ

 

人に伝えるためには、プレゼン用に0から内容を考え直す必要がある

 

 

 

現状の作り方

 

さて、現在の自分がどのようにプレゼンを作っているかと言うと

 

 

まずは手持ちのデータを基に、どういうストーリーで発表すれば形になるか考え

 

次にそれに合わせて、集めたデータを載せて解釈を書いて

 

次に得られたデータのまとめを最後に載せて

 

最後にやった実験内容に合ったり、説得力が出るようにイントロを考える

 

 

 

 おおよそこの手順で作っている

 

できる人はこの手順でもうまく作れるんだろうけど、自分には無理だった

 

というのも、データからストーリーを作ったは良いものの、

そのあとデータを貼っているうちに、データに引っ張られてストーリーがゆがむことが多いからである

 

つまり、取ったデータを無駄にしたくない、有効活用したいという気持ちが芽生えてきて

構成上不必要なデータを載せたり

特に解釈はできてないけど、とりあえず載せたりということをやってしまうのだ

 

 

そうこうしているうちに

 

結局、今回の発表は何がメインで何が大事だったのだろうか?

 

と、聞き手が釈然としないプレゼンができあがってしまうわけである

 

 

どういうプレゼンが理想か?

 

こういった欠点の問題点は中身がごちゃごちゃとしていて

理解が難しくなるということだ

 

 

これを解決するのは簡単で

 

シンプルなプレゼンを作る

 

ただそれだけで解決すると思っている

 

 

アップルのCEOであったスティーブ・ジョブズは優れたプレゼンターであったことはよく知られている

 

 

ジョブズのプレゼンのスタイルでよくみられるのは

 

視覚や聴覚などの感覚器官に強く訴えるような構成にしながら

スライド自体は画像を一枚だけ載せたシンプルすぎるほどシンプルなものである

 

ジョブズは画像一枚を映しながら、必要最低限の説明を効果的に行いプレゼンを進めていく

 

視覚的に今、何を説明しているかわかりやすく、聴覚的にも情報が錯綜しない

 

だから、ジョブズのプレゼンはわかりやすいのだと思う

 

 

以前の僕もそうであったが、ジョブズのプレゼンスタイルはビジネスシーン(特に新製品の紹介)に有効なのであって

 

研究発表なんかのプレゼンには相性が悪く、まるっきり別物だと考えていた

 

 

しかし、最近はうまいプレゼンの本質から考えると、ジョブズ式のスライドというのも研究発表に応用できるのではないかと思い始めている

 

 

研究発表にジョブズ式が不向きだと思われたのは、実験結果は基本的に複数あって

単独では何を言いたいのかわかりにくいものが多いためである

 

そのため1枚のスライドには図が2~3枚程度しかないが

全体としては数が多くなりがちで

 

実験Aの結果はこうで、実験Bの結果はこう

だから、こういうことが考えられます

といった細かい流れが増えるために

 

全体像がつかみにくくなっているのではないかと思っている

 

 

これを解決するために、データの加工(グラフ化など)をもっと慎重かつ大胆に思慮して行うべきだと思う

 

つまり、ジョブズのように一枚の図だけで実験結果がわかるような図を作るべきなのだ

 

 

生データを並べるだけだと情報が増えすぎて全体像が見えないし

加工しすぎると細かいデータが見えず、科学的信頼性が損なわれる

 

 

その中間くらいの科学的に不信感を与えず、何を示しているかわかりやすい図の作成こそがプレゼンを改良し、人にメッセージを伝える唯一の方法なのではないかと、最近は考えている

 

余計なことを言わない必要最低限の量のデータを与えてくれる図を基にストーリーを作れば、聴衆は自分の発表をもっと熱心に聞いてくれるだろうし、たくさん質問もしてくれるようになるはずだと信じている

 

 

細かいデータなんかは補助スライドに作っておけばいいし、質問されたらそれらを見せて細かい議論をすれば良いのであって

 

初めから細かいデータを並べるのは、科学的に純粋な姿勢を見せている態度に酔いしれているのであって

発表をして人に伝えるという観点からは最悪の姿勢だと考えている

 

 

 

シンプルにするために何をすべきか?

 

シンプルかつ効果的な図を作成するにはどうしたらよいのだろうか

 

それは、

実験結果について考え抜き、そのデータから何を言えるのか、その中でも最も重要なことは何か、ということを自分で自覚し理解できるようにしておくべきだ

 

こればっかりは、おそらく小手先の技術ではどうにもならない

 

真摯に実験結果・自分の考えに向き合って自問自答し

思考と理解をするどく尖らせていくしかないだろう

 

今までの自分に足りていなかったのは、この姿勢だと思っている

 

心のどこかで、場当たり的に流すためのプレゼンになっていて

人に自分の感動・価値観を伝えたいというレベルまで気持ちが張りつめていなかった

 

これは僕自身が研究テーマに対して、熱を持っていなかったことの表れだろう

 

主体的にやっているようでも、どこか先生の言いなりになっていて

その場さえよければ、まあ良い

 

という研究者としてはあるまじき姿勢だ

 

 

今は博士後期に進んだこともあるし、将来は一人前の研究者になりたいとも思っているので

この向き合う姿勢をとにかく磨いていかねばならないと痛烈に感じている

 

 

 

 終わりに

 

これは僕が最近、どうやったら人に研究が伝わるか考えた結果だから

研究発表以外では違うプロセスを辿るところがたくさんあると思うし、間違っているところがたくさんあるかもしれない

 

しかし、人に説得力を持って伝えるには

そのことについて日ごろどれだけ考えて、向き合った結果かというのは共通するところが大いにあると思っている

 

結局、本人がどれだけ内容を理解して、中身を整理して

聴衆に向かって熱を持って話せるか

 

言葉にすると簡単な気がするけど、実行するのは非常に大変なんだろうなという気持ちでいっぱいだ

 

まだ自分は全然実行できていないけど、とりあえず少しは改善できるように意識していきたい

 

ついでにブログもきちんと考えをまとめて、整理したうえで書けるようにしたい笑