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劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編を見てきた感想【ネタバレあり】

劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編を公開初日に見てきました

 

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アニメの勢いそのままにたくさん人がいて驚きました

ジャンプで1話目を読んだ時から大好きな作品ですが、アニメ化前までは「好きな人は好きだよね」って位置の作品だったので、ここまでブームになるとは思ってもいなかったというのが正直なところですね

 

過去の鬼滅記事はこちら

 

www.tachibanashi.com

 

www.tachibanashi.com

 

劇場版のサイトはこちら

kimetsu.com

 

小説版はこちら

 

公開初日の朝に見てきたので、特典の零巻も無事ゲットできたのでほんとよかったです

450万巻用意してる、みたいなのを見たので案外後でも入手できたのかもしれません

 

当日の振り返りと感想についてまとめます

 

TOHOシネマズへ

当初はコロナもあれだし、人が少なくなったころに見ようかと思っていたのですが

ネットにて零巻の存在を知り、状況が一変

なんとしても初日に鑑賞する必要が出てきました
(とはいえ、後で確認したらジャンプに載っていた読み切りと同じ内容だったので実はそんなに重要ではなかった…)

 

すぐにネットで初日の朝の割と空いているスクリーンを予約
IMAXはほぼ満席、舞台挨拶は完売だったのでもう見れればどこでもいいや、みたいな気持ちでした

 

映画当日はなんとか早起きをし、急いで劇場へ

 

フロアに降り立った瞬間、見渡す限りの人、人、人

想像の3倍くらい人がいて、鬼滅ブームの大きさを実感しました(1回目)

TOHOシネマズは現在、マスク着用を義務付けられているのですが、それも納得の人数でしたね

グッズ販売にも長蛇の列ができており、グッズ勢は大変だなと思いながらチケットを発券し、映画に備えました

 

入場の時間となり、チケットを見せ、お目当ての零巻とワニ先生のメッセージ、グッズ催促の広告を入手

この広告は種類があるので、コンプしたい人は大変かもしれません(自分は善逸でした)

 

席に座るとチケット完売のアナウンスがあり、鬼滅のブームの(略(2回目)

映画上映前の(長ったらしい)CMでも鬼滅コラボのものがたくさんあり、漫画とか全然興味を持っていない層にも影響があるレベルのブームなんだなと、鬼滅のブー(3回目)

 

映画本編について

さて肝心の映画についてですが

大・大・大満足の出来でめちゃくちゃ楽しかったです(小並感)

 

さすがufotable

TV放送のときと同じように余計なアレンジを入れず原作に忠実で丁寧にそのままアニメ化をしていて、それでいて映画版ならではの超絶作画がずっと続いているので、ほんと映画を作ってくれて大感謝って感じです

 

映画だけだとあんまり実感はないんですけど

無限列車編はストーリー的には、「炭治郎たちの成長お披露目」「柱の実力披露」「上弦の実力披露と挫折」という、どっちかというと舞台説明と次の展開に向けたバネみたいな位置づけなので、映画にするには微妙なんじゃないかと思ってました

ただ煉獄さんのエピソードが単体で熱いので、後半になるにつれて面白さが増していきましたね

 

微妙だった点としては、中盤までのテンポですね

個人的には中だるみも、演出上のテンポも悪いなと思いました

特に各キャラクターが催眠によって夢を見るシーンがあるんですけど、4人分の夢の内容を描写していて、その辺がまだるっこしく感じました

原作だとギャグ調で数コマしかないのでさらっと流せるんですけど、映画だと何分か見続けないといけないので、その辺がしんどかったです

 

挿入歌とかBGM、効果音、CGの使い方、エンドロールとかはもう文句のつけようがないので、ぜひ映画館で見てほしいなと思いました

 

映画単体でもおもしろいんですけど、前後の文脈がわかってるとより面白いので、予習してから行くことをおすすめします

 

あと猗窩座のCV石田彰でテンションが昇天しました

石田彰はずるいわ、まじで

 

 

 

ネタバレありの感想(書き殴り)

まずはストーリーについて

やっぱ煉獄さんのエピソードは最高だ(恍惚)

無限列車編のインパクトは、炭治郎の成長と柱の実力披露をして、次の強敵に向かうぞ!って流れになるのかと思いきや、天災的な上弦の急襲でまた挫折を突き付けられるところなんですよね

 

ジャンプ本誌を読んでいるときは、煉獄さんつえー、柱やべー、下弦も倒せるようになったんだなーって能天気なところから、猗窩座殿登場でいきなり緊張感が走って、「え?煉獄さん死ぬの?」とあっさり新キャラが死んでしまう衝撃がすごかったです

 

特に煉獄さんは柱合会議で「頑固で話が通じなさそうだけど、主張が正しければ感情的に納得できなくても、それを許容するような一本筋が通ったキャラ」であるのはわかっていたので、炭治郎一行とのやりとりや、過去の親や弟とのエピソードで「正義感と使命感が強くて、さらに面倒見がよく仲間想い」の一面が見えてきて、こちらも感情移入しかけていたところでの死亡だったので、かなりショックだったのを覚えています

 

鬼滅のロジックでは状況的に死なざるを得ない状況ではあっさり死にます

だから、痣がでていない煉獄さんが猗窩座に勝つのは無理ですし、戦いに負けて死ぬのも当然です

でも、人の思いを乗せて死力を尽くして、勧誘のために舐めプをしていたとはいえ、あと一歩まで追い詰めた煉獄さんの株が落ちることもありません

 

柱の株を落とさず、上弦の強さを演出するためのベストを尽くしていってくれましたね

 

 

煉獄さん個人に関してはすごく好きなキャラクターの1人です

もちろんこのときのエピソードの影響も大きいですね

 

ストイックにストイックに修行を積んで、いろいろな物を背負って戦い続け、結果を残してきた煉獄さんはそれだけでも良いキャラなのですが、死に際に母の姿を見、母から「煉獄はよくやっていた」と声をかけられた時の、一人の少年に戻ったあの笑顔が本当にエモポイントだと思います
あのシーンが本当に好きなんですよね

 

病床の母親に抱きしめられて涙を流して決意を固めていた煉獄さんが、最後に報われる感じが本当に涙腺に来ました

 

また柱合会議で禰豆子を積極的に殺す派だった煉獄さんが、禰豆子の戦いを見て考えを改めて「認める」のも本当にエモです

曲がったこと、理屈が通らないことは認めない煉獄さんが言うからこそ、禰豆子が鬼殺隊の一員として本当に認められたんだってエモいですよね

 

 

 

それと炭治郎が猗窩座に投げかけた言葉(煽り)は真理を突いている部分もありますが、トータルで見るとただの負け惜しみなのがまたいいんですよね

 

無限の時間がある鬼と有限の人間

身体が再生する鬼と戻らない人間

 

 

正直、体が欠損すること前提の戦い方は「武を極める」という観点からするとどうなの?とは思いますが、猗窩座の戦い方は鬼の特性を活かした戦い方で、ただ持ってる能力を使ってるだけなので、「人間は体が戻らないけど、鬼は戻るんだから卑怯だ」と言われても、自分の能力を使って何が悪い?という話ですね

 

鬼狩は鬼に有利な夜で戦ってると言われても、昼には鬼が活動できないんだから、別に条件は同じなんです

 

だから、猗窩座は自分の長所を活かしているだけで卑怯者でもなんでもないとは思います

炭治郎的には煉獄の死が間近になっているので、とにかく猗窩座に一泡吹かせたくて仕方ないから、ああいう言葉が出てきてしまったのだと想像しています

 

「猗窩座は生き残って煉獄は死ぬ」という事実だけ考えると、この戦いは猗窩座の勝ちでしょう

猗窩座からすると、そりゃカチンときますよね笑

勧誘のために手を抜いて戦っていて、太陽が出るから逃げたのであって煉獄との個人の闘いでは負けたわけでもないし、とどめを刺さなくても死ぬんだから別に逃げても勝ちの状況ではあります

 

自らの腕を切り落として逃走するのは鬼にしかできませんが、猗窩座は鬼だからそういう択を取ったのであって(まあこうなる状況を想定はしていなかったでしょうが)、人なら舐めプせずに煉獄は瞬殺されていただけでしょう


戦い的には煉獄の完敗のところを素直に認められずに、どうしても煉獄さんのことを悪く言わせたくない、勝っていたと思いたい気持ちからあふれ出てくる、あの負け惜しみが光ってるんですよね
炭治郎の内面から出てきたと思えるセリフだからこそ、こっちの心にも響いてくるいいシーンでした

 

煉獄さんが他の柱に慕われている描写もいいですよね

特に蛇柱の「俺は信じない」は本当に好きです

 

 

無限列車編は

・炭治郎達の挫折と成長の起点になる

・上弦>>柱>下弦の実力差を示す
・「人の思いを繋ぐ」という物語のコンセプトを明確にしなおす

3つの要素を描いた重要なパートだと思っています

 

鬼滅の世界観は一貫してシビアでストイックなものです

努力すれば劇的に何かが変わるわけでもないし、状況が一気に好転するわけでもない

強くなったと思っても、まだまだ道のりは遠くて…

でも、目的のためには努力を続けるしかない…

 

普通なら心が折れそうな状況でも、粛々とやることをやっていく姿勢に心を打たれるんですよね

炭治郎はもちろんのこと、特に自分のためにしか戦ってこなかった伊之助が死んだ人のことを想って、涙を流しながら発破をかけて激励するのは、精神面の成長が見られていいですよね

 

また煉獄さんは鬼と人間の実力差の物差しになってくれました

この序列は物語の終わりまで、崩れることがなかったので
彼の格は落ちなかったのは良かったと思いました

 

強さの序列が明確だからこそ、炭治郎達はもっと強くならないといけないと決意をすることもできるわけですし

 

そして、このあたりから「人の思いを繋ぐ」というこの作品の根幹の思想が提示されてきた感じがありますね

 

あの産屋敷家の常軌を逸した覚悟も、無惨様のラストの名言もここから生まれたのかと思うとちょっとあれですが、鬼滅の方向性を改めて決定づけたいいエピソードだったと思います

煉獄さんの死は劇中のキャラにも読者にもインパクト絶大でしたが、だからこそ心に深く刺さって、思いを繋ぐことの重要性を体現してくれたキャラでした

もっと柱の外伝とか読みたいんですよねー

ワニ先生書いてくれないかな…

 

遊郭編も正直、映画でやってほしいですね

堕姫の帯攻撃とか遊郭の町とか画面映えしそうだし、こっちのほうが超絶作画で見たいです

 

たぶん、映画はもう一回見に行くと思います

色々取っ散らかったけど終り!