東進衛星予備校と言えば、
安河内哲也先生の
「英語なんて言葉なんだ! こんなものやれば誰だってできるようになる」
とか
最近はテレビタレントとしても有名な林修先生の
「今でしょ」
とか
有名講師の名言を使った、テレビCMで知名度を大きく上げましたが
実際のところ、予備校としてどうなのでしょうか?
以前、東進衛星予備校(といっても田舎のフランチャイズなので)に通っていた僕が東進のメリット・デメリットとお勧めの使い方をまとめておこうと思います
僕は受験失敗した割には、無駄に授業を受けていました
だから落ちたんじゃないか、と言われるとその通りなのですがw
ちなみに通っていたのは結構前なので、システムが変わってるかもしれません
その辺はご了承ください
目次
どんな風に授業を受けるのか?
基本的に事務所でDVDを借りて、そのDVDを再生して授業を受けて
ウェブで確認テストを受けて1授業終了です
通期講座は1講座20授業、講習は5授業が普通だと思います
まあ先生がDVDの中にいること以外は、普通の塾と変わりません
質問は基本的に、その校舎にいるチューターに質問することになりますが
チューターは社員か、そこそこ高偏差値の大学に通う大学生だと思います。
したがって、必ずしもその授業にあった問題の解き方や解説を教えてくれるわけではありません
基本的に自学自習スタイルの塾だと思ってください
(一応、メールかはがきをだして直接質問することも可能だった気がしますが)
また志望校対策別講座(東大とか)だと、Z会のように答案を添削してくれる講座があります
(添削は授業を行っている講師がやっているわけではないと思います)
コスパを考えると素直にZ会や進研ゼミの方がいいのかな、という気もしますが
難関大学専用の問題の解き方を映像つきで授業してくれるのは、かなりありがたかったので、そのあたりは個人の好みといったところでしょうか
費用は?
詳しくは資料請求していただけるとありがたいのですが
確か通期講座だと8万、講習会だと5万くらいだったと思います
それに加えて、校舎によってはセンター模試とか、その他の模試もセットで受講させられることが多いです
あくどい校舎だと一回に、5個とか6個の通期講座の契約を勧めてくるので
本当に必要な科目以外はきっぱりと断りましょう
個人的にはセンター模試は早いうちから受けておいた方がいいと思います
授業のレベルは?
自分が受けた感想だと、基礎から応用まで基本的にはハイレベルだと思います
東進の講師は契約制なので、不人気講師は自分の看板授業を持つことなしに消えてしまいます
ですので、どの講師もDVDを見ただけで生徒が理解できるように、細心の注意を払って授業を作っているのが伝わってきますし、合間に入れる雑談でさえも計算されています
その結果できた授業は
わかりやすく、おもしろいエンターテイメント性も持ったすばらしい授業なのです
ただその欠点として、わかりやすすぎてかつ面白すぎるために
理解した気になって全く身についていない状態に陥りやすいので復習を何度もする必要があります
繰り返しになりますが、授業自体の質は非常に高いですし、見ていて集中力が途切れるような退屈な作りにはなっていません
問題点
東進の問題点としては上でも少し書きましたが
1.コスパが悪い
2.生徒の意志任せ
3.校舎によっては商売的
という3点が特にネックになっています
1.コスパが悪い
これは1講座の単価が非常に高いことからもわかります
単純な授業だけの料金なので、他の大手予備校と比較すると若干割高です
授業の質自体はいいのですが、そこだけがネック
テキストも講座によりますが、問題数がそれなりにあるものもあれば、最低限しかないものもあり、演習不足になってしまいます
結局、ハードに演習するなら参考書を買う必要があるのですが、そこまで行くと東進で授業を受ける必要はあるか?となってしまいます
2.生徒の意志任せ
他の予備校でも同じことが言えますが、東進の場合はこれが顕著です
生徒のやる気がないと、ただ授業を流し見することになるので
時間とお金だけが無駄に浪費されていきます
対して、自分でできる生徒には非常に有効なのですが
そういう生徒は東進じゃなくても、きっと伸びるというのもまた微妙なところですね
とにかく自分である程度は考えて、解決しようとする生徒じゃないと効果は期待できないので、そうじゃなければ東進はおすすめできません
3.校舎によっては商売的
塾も商売なので、売り上げを出すために必要以上に講座を受講させようとします
その辺が合格を第一とする大手予備校とは雰囲気が違うところですね
東進のほうが、あとはどうでもいいけどとりあえず受講してくれ感が強かったです
もちろんすべての東進衛星予備校がそういうわけではないとは思いますが…
東進の活用法
私が考える有効的な東進の使い方とおすすめ講座をまとめてみます
苦手分野 or 得意分野に絞る
あまりにもたくさんの講座をだらだらと受けても意味がないので
苦手な科目の底上げか、得意な科目の飛躍のどちらかに絞っ受講するのをおすすめします
講座を絞って何度も何度も授業を見て、問題を解いて、復習して内容を理解するとともに、苦手意識や新たな発想を学んでいけば成績に直結すると思います
予習に使う
東進はDVDで何度も見ることができるのが大きな特徴です
また個人の進捗に合わせて授業を組むことができます
そこで、理科や英語、数学など予習として使うことで
初めは学校に先立って予習として使い一通り授業を受ける
後日、復習としてもう一度受ける
と反復することで二度おいしく活用できます
勉強の習慣づけにする
東進は1授業ごとの区切りがあるので、時間の制約があまりありません
ですので、部活が遅くなったから塾に行かない、という選択肢はないのです
それを活かして、「毎週3回は塾で授業を受けて1時間自習をする」などと目標を立てて、コツコツと勉強をしていけるように習慣づける動機にしていくとよいでしょう
おすすめ講座(2017年3月17日現在)
東進で最もおすすめなのは英語の授業です
英語は受験では最も重要なのにもかかわらず、なかなか受験に必要なことを体系的に学校で学ぶ機会はありません
その点東進の英語の授業は基礎から応用まで幅広く講座が存在するので、どのレベルからでも新たにスタートすることが可能です
おすすめの講師を三人挙げると
・大岩秀樹先生
すごく基礎からの授業をしてくれます
文法も丁寧に教えてくれますが、とくに節・句に着目して英文を和訳することの考え方を学べます
明るく楽しい授業なので、英語アレルギーの人もいけるんじゃないでしょうか
・今井宏先生
雑談が面白い。雑談が本編
講座のレベルも初級から上級まで幅広くあるので、一貫して実力を伸ばせる
教え方は極めてオーソドックスだけど、時折はさむ雑談で記憶に定着させる
どっちかというと量をこなして、学ばせる感じ
・宮崎尊先生
読解も良いけど、英作文がすごくわかりやすい
簡単な文で英作を書けるようになる方法を教えてくれる
不思議なもので英作の練習をしていると、読解もできるようになる
英語←→日本語の考え方がすごく好きで、授業を受けて良かったなあと思える1人
僕はこの3人が特に好きだったんですが、体験授業を受けてみて合う人を探すのが一番だと思います
国語に関しては現代文が良いと思います
(昔はマドンナ古文の荻野文子先生の授業があったんですが)
基礎から全くわからないなら、板野博行先生
ある程度できるなら林修先生の授業を受けましょう
現代文はどう解くべきかというのを学べます
板野先生は接続詞に記号を付けていく、ビジュアル的な解き方
林先生は普通に読んで普通に解く王道の解き方
なので、自分の実力に合わせて受けましょう
数学は別に悪くはないのですが、8万払って受ける価値があるかなって言うと微妙なところなきがします
問題量ならチャートでいいですし、解法なら大学への数学が解ければいいので
どうしても数学がダメな人だけ受けてみる感じですかね
物理に関しては苑田尚之先生が一番でしょう
結局僕は完全にはマスターできなかったのですが、微積を使った物理はすごく面白くて実践的です
大学に行ってからも困らないですしね
ただ非常に難しいので、2年から受講して1年で5回は通して受講するくらいの心構えが必要です
他の予備校合わせても、日本一の授業であることは間違いないので
終わりに
なかなか手が出しづらい東進ですが、現役のときにピンポイントで伸ばすのに使うのは非常にありだと思います。
浪人の時はさすがに大手予備校の方が値段や量を考えると軍配があがってしまいますが
とにかく自分を律する心が必要なので、ちゃんとできる人には無限の可能性を与えてくれる予備校であることは間違いないです