今日も独りで立ち話

ポンコツ博士課程の院生が思ったことをそのまま書くブログ

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研究がうまく進まないタイプ

 

研究室のボスと話していて

研究がうまく進まないタイプには大きく2種類あることを教えてもらったので

戒めがてら、メモしとこうと思います

 

1.発散型

自分はこのタイプ

たぶん、ほとんどの人はこっちだと思います

 

図解するとこんな感じ

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黒い四角形が何かを主張するためのボックス

色付きの四角形がそれを主張する根拠となる実験データを表しています

 

論文や学会発表をする際には、このボックスをつなぎ合わせて、ひとつのストーリーを作っていくわけです

 

例えば、金ナノ粒子のコロイド溶液を作りましたって主張のボックスを埋めるためには

・合成手法と条件

・作ったものが金であること

・大きさがナノメートルスケールであること(具体的にどれくらいの大きさか、とか)

・作った粒子が溶液に分散していること

などを示すデータが必要になります

このボックスの中のデータ種類は多ければ多いほうが、主張が強固なものになるのですが、最終の主張までに必要なデータ量を逆算した時に、かかる時間とのトレードオフになります

 

 

それで、肝心の発散型はどういうことかというと

好奇心が旺盛なゆえに、興味がすぐ移ろってしまって

ボックスの中の実験データが埋まらないまま、別の実験を始めてしまうわけです

 

その結果、ブロックの中身がスカスカになってひとつひとつの主張が弱くなるうえに

実験の方向性がバラバラになってしまうので、ボックスをつなげてもストーリーが完成しないわけです

 

思考が発散すること自体は新しいアイディアが生まれてくるので悪いというわけではないのですが、限られた期間で成果として残すことを考えると非常に効率が悪くなってしまうのです

 

これを直すには、意識して収束させていくしかありません

あらかじめボックスとストーリーをある程度定めておいて、それを埋めるために必要なデータを逆算して計画的にとっていくしかないのです

 

論文化を考えた実験と遊びの実験をきっぱり分けてメリハリをつけるようにしないといけません

 

2.固執型

固執型は発散型と完全に逆で1つの主張のために、とにかくデータを追い求めすぎた結果、主張の発展性がなくなるタイプです

 

同様に図解するとこんな感じ

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その主張だけで新規性があって論文になる場合はいいのですが

ほとんどの場合1つのボックスは全体のストーリーを構成する要素の一部でしかありません

 

ただ固執型の人は凝り性というか、気になったことはとことん突き詰めるタイプなので

同じところでぐるぐる回ってしまう傾向にあります

 

これも悪くはないし、当然必要な能力なのですが

やっぱり時と場合によるという感じですね

 

こっちも発散型と同じようにストーリーを立てて逆算して実験をするのが有効ですが

そのデータは本当にないとだめなのか、その主張をするのに最低どれだけのデータがあればいいのか、ということを意識するのが重要です

 

 

個人的には、気が付くとストーリーがぐちゃぐちゃになる発散型と違って、やってればそのうちストーリーができる分固執型のほうがまだましかもしれません

 

 

終わりに

発散型と固執型の思考方法そのものは悪くないし、どちらの要素も必要なんですけど、バランスの問題なんですよね

うまく研究サイクルを回すには、偏ってはいけないわけです

仮に偏ったとしても、最低限度はもう一方の要素を持っていれば研究はきちんと進むので、いき詰ってるときは自分はどっちのタイプで研究がうまくいってないのか考えたほうがいいと思います

そもそも実験してません、みたいなのは論外ですけども

 

理想的にはこんな感じ

 

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土台の上にバランスよくデータとボックスが乗っていれば、整理されたストーリーになるはずです

 

自分は正直なところ。発散しまくっているので人にとやかく言えた立場じゃないのですが、頑張って収束させられるように頑張ろうと思います