今日も独りで立ち話

ポンコツ博士課程の院生が思ったことをそのまま書くブログ

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掛け算の順番問題について

小学校の教育問題って定期的に話題になるのに、全然解決されないですよね。

中でも、「掛け算の順序」に関してはひどいですよね。

 

 

ちょっと古いですけど話題にあがるたびに

毎回Togetterとかでまとめられて、似たような議論で堂々巡りをしているのを見ると

いつまで同じことやるんだとため息が出ます

 

↓こういうまとめのことですね

togetter.com

togetter.com

 

個人的には掛け算の順序にこだわる意味がさっぱりわからないのですが

大事だと心の底から信じている人もいるようなので、なかなか大変な問題だなあと思っています。

 

 

 

そもそも掛け算に順序があると主張している人たちの言い分としては

 

「算数においては」「かけられる数」と「かける数」が存在していて

1つあたり×数量

で式を表さないと意味をなしていないので不正解

 

というものらしいです

 

 

 

数学的には「掛け算は交換法則が成り立つから逆にしても正しい」

への反論として

算数だとただの数字じゃなくて意味が伴っている。それを逆にすると意味が異なる

というものがあります

 

理系だった人はわかると思うんですが

化学とか物理の計算では便利なので、単位をつけて計算しますよね

 

あれを考えたら、順序なんてどっちでもいいのは当たり前の話だと思うんですよね

 

 

例えば

 

1袋にみかんが3個入っています。4袋買ったら全部でみかんは何個でしょう?

 

という問題なら

 

3 [個/袋] × 4 [袋] = 12 [個]

 

であって、これがたとえ逆になっても

 

4 [袋] × 3 [個/袋] = 12 [個]

 

となって、式は全く間違っていないわけじゃないですか

 

じゃあ、意味は違うようになっているのかというと

そんなこともなくて

 

上の式なら

まずみかんが3個入った袋が1つあって、それが4つに増えるイメージ

 

下の式なら

まず袋が4つあって、袋1つにみかんを3個ずつ入れていくイメージ

 

 

初めに単位量を想像するか、全体像を想像するかの違いでしかなくて

結果として、出来上がるイメージは同じなんですよね

 

順序守りましょう派閥の人たちは

下の全体を考えて、そのあと単位量を入れていく想像ができないために

固執してるのではないかと思います

 

 

 

「それだと問題文の順番と逆になってるから意味が異なっている」

 

とか言われそうなんですけど

 

そういう人は問題文が

4袋持っていて、1袋にみかんを3個ずつ入れると全部でみかんは何個でしょう?

 

と変わったら、ちゃんと4×3の方を正解にするんでしょうか

それとも単位量×個数にこだわって、3×4以外は認めないのでしょうか

 

 

 小学生に単位を交えて考えさせるのは難しいという意見が

上のまとめにあったりしましたが、小学生でも想像くらいはできると思うんですよね

 

それこそおはじきとか使って、実際どうなっているかを教えればいいわけで

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 

僕自身としては、まずは答えを出す能力を身に着けられれば

解き方なんてどうだっていいと思っているので

順序にこだわる人の考え方は一生理解できないかもしれません

 

 

 

100点のテストで式も答えも完璧な2人がいたとして

片方は理解してるけど、片方は理解していないとか

客観的に判別するのはきちんと考え方を聞き込みして初めてわかることだと思うので

 

 

さらに言えば

初めは意味は分からなくても問題を解けるようになるのも悪いとは思いません

 

 

スポーツで指導者がこのフォームでやったほうがいいと教えたときに

そのフォームの理屈、メカニクスを完全に理解して取り組む人はほとんどいないでしょう

 

一部の天才はなんとなく理解するのかもしれませんが

大多数はそう習ったからととりあえずフォームの真似をして、試行錯誤しながら上達するものだと思います

 

しかし、勉強に関しては

理解→実行のプロセスを必ず踏ませようとしているのが違和感しかありません

 

「理解せずに問題を解けるようになる」ことが良くないという意見もたまに見ますが

 

僕自身

理屈ははっきりとはわかってはいないけど問題の解き方はわかる状態から

学年が上がったり問題を解く経験が増えたりすることで

改めて理解できたこともたくさんあるので

まずは「できるようになる」というところから始めてもいいんじゃないかと思っています

 

とりあえず正しい答えを出す訓練をやっているうちに意味や理屈をきちんと把握すればいいわけで

小学2年生のときはただ答えを出すだけでも

小学3年生になって振り返ったときに理解できれば何も問題はないと思います

 

 

 

理解→実行のプロセスが望ましいのは当然ですが

実行→理解のプロセスでも結果的に身につくのであれば

それこそ順序にこだわる必要はないわけです

 

 

しかし、こういう議論がネットで勃発しているのを見ると

「絶対こうしないといけない」みたいな主張を見かけたりするので

もっと柔軟に教えればいいのになあと思ってしまいます

 

 

数字を使って、自分のイメージを数式で表現できるようになることが

一番大事なはずなんですけどねえ

 

数学教育の第一人者である遠山啓はどう表現してたかはイマイチ思い出せません

数学入門とかいろいろ読んだんだけど、内容を忘れてしまった…。

 

 

数学入門〈上〉 (岩波新書)

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